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呉市の塗装店

塗膜の膨れ・剥がれ

サイディング外壁の塗膜の膨れ(パターン1)

サイディングに対して、塗装を行い、その塗膜が後にプクプクに膨れ上がっている状態の現場を、たまに見かける事があります。これは、サイディングに対し、弾性系の何らかの塗装を行った場合や、下塗り材との密着の相性が良くない塗り替えをされた場合などで、起こりうる条件の物でして、そういった状態から、塗り替えのご相談を頂いた例が2パターンくらいございますので、ご紹介致します。

▼まず、一つ目に対応した現場です。塗膜が水膨れ状態で、ポツポツに膨れ上がった状態でした。写真の面以外にも、膨れている所が多々ある。そんな状態でした。


こちらの建物は、前回塗装された業者が、単層弾性塗料(塗膜圧を調整できる弾力のある粘っこい塗料)を使用して塗装されたようで、それが膨れた後、さらにそれを消すために、単層弾性塗材で厚付け工法をしたせいか、より膨れ上がってこうなった例でした。お客様から当時の内容を聞いた話と、当店が色々状況を探った結果の話です。
それはともかく、この状態をどうにかしようと考え、見積前に、試しに剥離剤を使って塗膜を除去しようと試したのですが、下が弾性塗膜なので、剥離した物が粘り気を増すだけで、全く効果が無く、一時はご依頼をお断りしました。ですが、お施主様は、「どうにでも膨れるのが収まればいいから、何とかできない?」とご相談され、請け負わせて頂きました。

そして、当店が施工したのが、下のような写真の通りです。


因みに、塗装してから、4年半が経過した後の状態です。

マスチックローラー工法による仕上がりです。
対策としては、旧塗膜の膨れを落とすには、サンダーで削るしかなく、削れば元のサイディング壁もガタガタに削れてしまいます。そして、完全に剥がしきれない旧塗膜も残存しますので、その上に、超強力なシーラーで固め、その後、全体をセメント処理してガタガタだった壁面を平滑に近づけます。次に、強めのシーラーを2回塗って、微弾性フィラーをマスチックローラー工法、仕上げ材は、塗料メーカーが何故か水性ではなく、弱溶剤の材料にして下さいと言うので、弱溶剤2液シリコン2回塗りでこのような状態にまで復活できました。

結果、4年半経過した現在(2017年)も、一切膨れていません。施工後3年目お客様にお伺いした際に、おかげで安心できたと、ご満足頂きました。
膨れが収まったという意味では成功例ですが、元からあるサイディングのデザインを残すことは不可です。ですが、このように何とか食い止める方法は無くは無いです。
基本的に、サイディングに弾性系の塗料はできる限り避けた方が良いと言うのは常識で、薄膜のトップコート(仕上げ材)なら弾性系でも問題無いので、当店でもそういう材料での施工例はありますが、この度の膨れの原因になったであろう、単層弾性塗材というのは、希釈方法次第で、一般的なトップコートにもなり、下地調整材にもなるという材料で、さらに変な弾力が残りつつも、中途半端に膜厚が付くという特徴があり、それの影響だろうと思います。

 

サイディング外壁の塗膜の膨れ(パターン2)

▼こちらのパターンは、普通に塗装した水性塗料が所々膨れているというタイプの現場でした。水性塗料は、基本的に弾性力が備わっているから、それが膨れている状態です。
シーリングの上が膨れている程度。

膨れを通り越して、剥がれている部分。

この面で言えば、遠目からではこの程度膨れがあるくらいでした。が・・・・

まず、高圧洗浄で脆弱な物は剥がしてしまおうと、洗浄したら・・・

密着していない部分が出現してきました。

こんな感じです。もはや想定外です。

おまけに、念入りに洗浄で剥がそうとすれば、凍害爆裂の影響もあってか、サイディングの地肌が砕ける部位も出てきました。

こういう感じに、地肌が削れます。洗浄で剥がすのは、これくらいが限界です。

このケースの膨れの原因は、当店が最初に考えていたのは、下塗り材が溶剤系で、仕上げ材が水性でして、溶剤系下塗り材が完全に乾ききっていないうちに、成分の違う水性の仕上げ材でパックし、下塗りの溶剤が揮発の際に、なじまない仕上げ材の水性塗膜を押し上げて起こったのかな?と考えていました。しかも、元のサイディングが、赤い色で蓄熱しやすいのもありますし、シーリング部分に膨れが多いのは、シーリング部分こそ、材料が溜まり易いから・・・・そして、施工時は少し季節の肌寒い11月くらいで、膨れだしたのは夏場というような事もお客様からお聴きしたので、それが原因だと考えていましたが、実際に施工していくと別の原因かな~というのもあり、明確な事は当時の業者しか分からないのですが、シーリング部辺りが集中的に膨れているのは、何かこの辺りに妙な材料を塗ったのが、原因じゃないのか?とも考えたりして、はっきりとは分かりませんでした。

とりあえず、この度の施工としては、パターン1と同じように、全て削ってしまうというのも有りですが、まず面積が大きいし、それだと費用も上がるし、とはいってもパターン1の状態程ひどい状態ではないので、洗浄後、サンドぺーパーで擦ったりなど、色々やってみて、できる限り剥がし取りました。
後は、普通にサイディングに塗装するのと同じで、厚膜型の下塗り材を塗布し・・・・

仕上げ材の2回塗りを行いました。

厚膜型の下塗り材により、ある程度剥がした部分とそうでない所との段差も目立たなくなりました。この現場では、これ以上の方法はないと思います。今後、剥がしきれなかった塗膜が膨れたりする影響が無いか、観察していきたいと思います。また、お施主様が最初に見積してもらった他の業者は、スキン吹付などを行うという案のようでして、要は粗を目立たせないような考えだと思うのですが、結局、剥がれるか?剥がれないか?は塗装仕上げの違いではどうしようもないので、見栄えだけのごまかしをしてもしょうがないかな~と考え、普通に塗るだけの方法を当店ではお勧めしました。結果、良かったのではないかと思います。

 

(サイディング外壁で塗膜が膨れている主なメカニズム)

上で説明してきたように、サイディングに塗装して塗膜が膨れているという建物があったりします。その場合の膨れの原因は、最初から塗装されているボードの旧塗膜と塗り替えた塗料との相性に何らかの原因があると考えられます。塗料メーカーから膨れのメカニズムを教えて頂いた話ですと、サイディング外壁とその建物内部の石膏ボード等の間には、空気層が存在します。そして、室内環境による温度差から、内装のボードにも付着する水蒸気等が外に出ようと空気層を移動し、さらにサイディング外壁の内側から外に出ようとする際に、新たに塗装し覆った塗膜を抜けようとする際に、元々のサイディングの塗装面と、新たに塗り替えた塗膜の接着面が耐え切れなくなる事で、塗膜の膨れという物が発生します。 その塗膜が耐え切れなくなる原因には、元のサイディングに塗装されている塗料がラッカー系の物であったりすると言われています。こういった事から膨れが起こるか起こらないか?は、一般のお客様で判断はできない事になりますので、こういった事を塗装屋が知っているか?もしくはそういう危険性がありそうな建物の際に、判断ができるかどうか?が全てであると言えます。