塗装の目的・時期

サイディングの種類について

一般的にサイディングの壁というのは、工場生産の壁材を現場にて組み立てる物を言います。

そんなサイディング壁にも様々なタイプがあります。

  • 窯業系サイディング
  • 金属系サイディング
  • 石材調サイディング
  • セラミック系サイディング
  • 陶器タイル調サイディング

などなど、本当に様々です。ここではそんなサイディング壁のタイプについても解説していきます。
因みに、考え方としては、ALC外壁も工場生産の壁を、現場ではめ込む形なので、それもサイディングの考えとなんら変わりは無いとも言えます。

窯業系サイディングについて

サイディングで最も多いタイプが窯業系と言えます。窯業系とは、セメントや繊維質を混ぜ合わせて作られたボードで、デザインも非常に豊富です。

  • サイディング

    基本的にサイディングのほとんどが窯業系になります。

    • 壁のデザインは一切関係ありません。
  • サイディング

    一般的な窯業系サイディング。窯業系は壁のキワなどが特徴的です。

  • サイディング

    こちらはハウスメーカーの壁なので、普通よりもボードの厚みはありますが、同じく窯業系サイディングです。

窯業系サイディングは、従来は上のように明らかにチョーキング(劣化)が分かってくる特徴がありましたが、2000年初期くらいから少し変化が現れます。
それは壁に対し、チョーキングが起きにくいような表面処理をされた壁が増えてきたことです。
中でも、無機系のコーティングをされているサイディングや、光触媒コーティングのサイディングもあり、そういったタイプの窯業系サイディングは、10年過ぎたくらいではチョーキングが目立たなかったりする事があります。

築10年でチョーキング(劣化)が表れていない

画像は一見、普通の窯業系と変わらなく見えますが、築10年でチョーキング(劣化)が表れておらず、調べてみると防カビ系の処理をされたサイディングでした。

建物の形状や立地の影響もありますが、非常に状態は良好。ただ、どんなに優れたサイディング壁でも、問題があります。
それが剥き出しのシーリング部分です。シーリングにはそこまでの耐久力はありません。
つまり、サイディングが以前より長持ちしたとしても、シーリングは朽ちてくるので、塗り替え時期は何の処理もしていない窯業系サイディングと変わらないわけです。

よって、足場を組んでシーリングを打ち替えるなら、塗り替えも一緒に行うという事になります。因みに、どんな処理をしているボードでも、窯業系サイディングはやがて劣化してきます。

  • 何らかの処理をしているサイディング壁の場合、塗り替え時は、下塗り材の選択肢が非常に重要です!!

金属系サイディングについて

アルミサイディング

最近は金属系サイディングもよく見かけるようになってきました。

この現場は、モルタル壁の上に後から、アルミサイディングを取り付けています。
一時期、モルタルにサイディングを貼れば、塗装は不要という飛び込みの営業マンが多かったようで、そういう建物が多くなった時期があります。
確かにアルミサイディングは、一般的な窯業系よりは長持ちするかもしれませんが、結局チョーキングしてきます。
よって、見栄えの影響から再び塗装するというケースもよくある話です。

モルタル壁の上にサイディングを取り付ける工事について

モルタル壁にサイディングを取り付ける工事は、一般的な考えとしてあまり意味が無いように思います。
まず、取り付ける為の木をモルタル壁に打ち付け、その上にサイディングを貼るので、コストは非常に掛かるし、壁がかなり重たくなります。
また、サイディングで覆ってしまえば、元のモルタル壁の下地がひび割れていても今後一切分からないです。
そして、後から取り付ける場合は、全てサイディングで覆うわけではなく、軒天部分はモルタルそのままむき出し状態だったり、サッシも、壁が厚くなった分、何とも言えない納まりになります。
因みに、サイディングを後から貼る工事は、聞くところによると相当高額らしく、それなら2回は余裕で塗り替えができるくらいの費用だと、聞いたことがあるので、どうしてもやむを得ない事情が無い限りは、お勧めではないと考えられます。

金属系サイディングには、このような後付けだけではなく、ガルバリウム系素材のサイディング壁を新築時に取り付けている建物も最近は非常に多いです。
そういう建物には、シーリングが剥き出しになっていない物も多く、確かに壁面の塗り替えを行うコストは掛かりにくくなる可能性は高いですが、最近は塩害もあったりと、何かと素材が痛む要因があるので、それでも何もしなくて済むというわけではありません。

ガルバリウムについて

ガルバリウム

ガルバリウムとは画像のような部分にもよく見る素材です。

最近はガルバリウム素材を使用するのが当たり前で、非常に錆びにくくなっています。ですが、完全に錆びないわけではありませんし、見栄えの劣化から塗装するのが基本です。

ガルバリウムの製造をしている人の話を、お客様から又聞きしたことがあるのですが、このガルバリウムが完成するまでの金属の配合率もある程度の枠があるようで、それにより価格や物にも差があるようです。だから、ガルバリウムのサイディングとはいっても、錆が出やすい物もあれば、本当に錆びにくい物もあるようです。

ガルバリウム

この画像の壁の下地は金属です。サイディング初期のハウスメーカーの建物です。

壁の素地感は、画像のようなガサガサしたような感じです。壁がつるっとしたタイプもありまして、形は似ているけど、素材は様々なタイプがあります。
この手の建物は隙間が非常に多く、そこをどう処理するか、判断で塗り替えの費用に差は出てくると言えます。

石材調サイディングについて

石材調サイディング

まるで石材系の材料を一つ一つ取り付けたかのような印象を受ける石材調サイディング。
画像は石材調サイディングの元々の風合いを残したいというご要望から、クリヤー仕上げを行った後の状態です。

よく玄関先や、建物の一部分的に使用されている事が多いです。
石材調サイディングも色褪せてきますが、クリヤー塗装を行う事で、ある程度復活します。完全に色褪せたら、塗料で塗り潰したり、意匠性のある仕上げを行うしかないと思いますので、クリヤー仕上げなどで元の素材感を長持ちさせたい方は、早めにご相談頂いた方が良いと言えます。

セラミック系サイディング

  • セラミック系サイディング
  • セラミック系サイディング

セラミックというか、要は意匠性のあるALC(軽量気泡コンクリート)外壁といった感じです。このタイプは、サイディング自体に気泡が多く、物によっては塗料を非常に吸い込むので、普通の塗料の伸び率と同じ感覚で見積すると、大変な事になります。仕上がりを気にしないなら、そういう見積でもいいのかもしれませんが、普通の職人的な考えならならそういうわけにはいかないので、結構厄介な壁です。また、壁の凹凸も深いです。

この現場では、凹凸が深すぎて塗料がローラーでは入らないので、吹付工法と併用で施工しました。こちらのタイプは、壁面が緻密でしたので、塗料の伸びは普通より少し多め程度で済みました。

サイディング壁の種類についてのまとめ

サイディングには、このほかにも磁気タイルを貼ったような陶器タイル調のサイディングもありまして、非常に長持ちする物もあります。

もちろん、そういう壁材を新築時に取り付ければ、初期費用は高くはなります。
サイディングは近年様々な物が出始めてまして、それが本当はどのくらい長持ちするかどうかは時間が経ってみない事には分からない事だと言えます。

一つ言える事は、ほとんどのサイディングは美観の劣化であったり、耐久力や撥水性確保の為に、塗り替えは必要になりますので、そういった判断ができない場合は、診断も無料ですので、ご相談頂ければと思います。

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