下地処理(サイディング・ALC)

下地処理(サイディング・ALC)

モルタルやコンクリートの建物でも、シーリング(コーキング)打ちは行いますが、サイディング外壁やALC外壁(軽量気泡コンクリート)に行うシーリング打ちは、それとは別物とお考えください。
下記にてご説明していきます。

サイディング外壁の場合

壁目地のシーリングについて

黄色矢印がシーリング部位の縦目地
画像の黄色矢印がシーリング部位の縦目地です。
壁面の縦目地は最も劣化しやすい部位ですので、既存シーリング材を撤去し、新たにシーリングを打ち込む、「打ち替え」という作業が適切です。

シーリングの打ち替え時期を表す劣化状態について

  • 縦目地を拡大した画像

    縦目地を拡大した画像です。この縦目地は、シーリングがすでに壁面と密着しておらず、壁面との間に隙間が見えています。

  • 所々切れているシーリングの劣化状態

    一見良さそうに見えますが、所々切れているシーリングの劣化状態です。こういう劣化が見られたら、他の部位のシーリングの状態も悪くなってきていると言えます。

  • シーリング中心が裂けています

    ひとつ前の画像と同じ建物です。シーリングの密着は良いけど、シーリング中心が裂けています。

シーリングが膨れている現象

こういったシーリングが膨れている現象の建物もあります。

画像のシーリングはハウスメーカーの建物で、一般的な物よりもシーリング幅が太いタイプです。
この現象は珍しい事ですが、原因はこの裏にバックアップ材という、スポンジ状の素材があり、それを入れ込む際に傷つけたり、しっかり入っていない所から、エアーが裏から押し上げるようで、その際にシーリングの充填厚が足りていないと、そういう部分を押し上げ膨れとなるようです。

また、シーリングが2液型タイプというのも、何らかの影響を及ぼしている可能性もあったりします。

軒天と壁面の境目 / 軒天と破風の境目 / 破風のつなぎ目 / 胴差のつなぎ目・上部 のシーリングについて

シーリングが膨れている現象

黄色線の部分は、壁面と軒天の境目に打ち込まれているシーリングです。こういう箇所は、あまり劣化が進行しないので、当店では基本的に「打ち増し」という、その上からシーリングを打ち込む処理で対応する事が多いです。状態が非常に良い場合に限り、何も打たない事もあります。

次に、青色部分は軒天と破風という板の間でして、こういう部分にも小さくシーリングが打ち込まれています。こういう部分は、最も劣化しにくい個所ではありますが、当店ではシーリング打ちを行うようにしています。

緑線の部分は、破風(鼻隠し)とか、胴差という部位でして、その部材のつなぎ合わせにも、シーリングが打たれています。こういう箇所も打ち替えがお勧めです。

赤矢印の部分は、胴差しという板の上側を表しています。壁面と胴差の境目にシーリングが打たれていますので、こういう箇所の打ち替え、もしくは打ち増しが必要になってきます。

窓廻りのシーリングについて

シーリングが膨れている現象

窓廻りにもシーリングを使用されていますが、窓廻りは壁目地ほど劣化してない事が多いです。
基本は打ち替えが正しい判断と言われていますが、劣化の程度が良く、シーリングの打ち代がある場合は、打ち増しでも問題無いと当店は考えています。

理由は、窓廻りを本気で剥がし取る事は、劣化がかなり進行していない限り困難ですし、きれいに剥がすのは至難の業だからです。
また、建物により、カッターの刃が斜めにしか入りきらず、完全に剥がしきる事が不可の現場も多くあります。

よって、当店では見積時に打ち替えか、打ち増しなのか?の判断は、お客様にご説明した上でどちらにするか決めています。
因みに、上記の画像の現場では全て打ち替えを行いました。

シーリングの打ち替え方法について

  • カッターで両端に切れ目を入れます。

    カッターで両端に切れ目を入れます。

  • ペンチでシーリングを引っ張り出します。

    ペンチでシーリングを引っ張り出します。

  • きれいに取れます。

    こういう風にきれいに取れます。できる限り両サイドに切ったカスが残らないように剥がし取ります。

  • 剥がし取った状態です。

    剥がし取った状態です。建物によっては、中が空洞でバックアップ材という白い発泡スチロールのような物が入っているタイプもございます。

  • プライマーを塗布

    シーリングカット後は目地廻りに養生テープを貼り、密着性を向上させるプライマーを塗布していきます。

  • シーリングのプライマーです。

    シーリングのプライマーです。

  • ノンブリードタイプ

    シーリングを打ち込んでいきます。使用するシーリング材は、ウレタンシーリング又は変性シリコンシーリングのノンブリードタイプです。

  • 押し込んでいきます。

    打ち込んだら、シーリングをヘラもしくはスポンジ状の道具で押し込んでいきます。

  • 押し込んだら、後は剥がしていくだけとなります。

    押し込んだら、後は剥がしていくだけとなります。

  • テープを剥がし取っていきます。

    テープを剥がし取っていきます。

  • シーリング打ちの完成後です。

    シーリング打ちの完成後です。

  • 軒天と壁目地部分のシーリング完成後。

    軒天と壁目地部分のシーリング完成後。

図

上記の【4】の画像の目地の底に見える青い部分は、ボンドブレーカーというテープでして、それをハットジョイナーというステンレス製のプレートの上の取り付けております。

このボンドブレーカーの上には、シーリングが密着しません。よって、シーリングを目地部に打ち込んだら、奥面にはシーリングがくっつかず、壁の左右両サイドにしかシーリング材が密着しない仕組みでして、これを2面接着と言います。

この2面接着でしたら、建物の動きにシーリングが左右方向にしか力が働かなくなり、3方向にシーリングが引っ張られるよりも、破断しにくくなります。サイディングの建物に限っては、内部がこういう仕組みになっており、2面接着が基本となります。

2面接着になっていない建物

2面接着になっていない建物もあったりしますが、その場合は、ボンドブレーカーを入れる必要があります。上の画像がその例です。ハットジョイナーも入っておらず、ボンドブレーカーも無い状態でした。

また、たまに目地から直接木が見えるような欠陥住宅もあったりします。それだと目地が裂けてたら、確かに水がもろに入りますね。

何も入っていないように見える現場

こういう何も入っていないように見える現場もありますが、この場合は透明なフィルムみたいなものが貼ってあり、それがボンドブレーカーとしての役目をしています。

3面接着か2面接着の違いは、剥がし取っている際に分かります。3面で接着されていたら、なかなかシーリングが剥がし取れないものです。

ALC(軽量気泡コンクリート)外壁の場合

  • ALC外壁

    ALC外壁とは画像のようなブロック調の外壁の事を言います。一般住宅や中層のビルに多く見られる外壁で、画像に見えるブロックとブロックの間に全てシーリングが充填されています。

  • ALC外壁

    こちらの建物もALCです。目地部分に全てシーリングを打たれています。
    ALC外壁の場合は、シーリングを打ち込む個所が莫大あり、基本は壁目地は打ち増しで十分なのですが、下地に単層弾性などの弾性塗膜を塗られている場合などは、全て打ち替えにした方が良い場合もあります。
    また、ALC外壁でも、窓廻りに関しましては、完全に打ち替えをお勧め致します。

  • ALC外壁

    ALC外壁は目地が太いのでサイディングよりもシーリングを使用する量は多いですが、使用するシーリングはノンブリードタイプの2液ウレタンシーリングで十分です。
    また、ALC外壁のシーリングを打ち替える場合も、基本的に2面接着になっていますので、剥がし易い仕組みではあります。

  • ALC外壁

    ALC外壁で、このようなデザインがあるタイプの場合は、シーリング工事も塗装工事も非常に手間が掛かるので、ALC外壁は何かと費用が上がりがちな建物と言えます。

  • ALCの窓まわり

    ALCの窓まわり、打ち替えを行った後の状態です。コンクリートの建物同様に、面台のシーリングも打ち替えが必要なタイプが多いので、見積時にはそこら辺の確認も重要になってきます。

  • シーリング打ちは、可能な限りたっぷり打ち込むのがベストと考えられます。

シーリングの耐久性について

シーリングの耐久性は、基本的にシーリングの厚みによります。
サイディング外壁の弱点は、本当にシーリングでして、正直な話を申し上げますと、シーリングの目地が1cmにも満たない幅の建物の場合と、1cm幅はあるタイプの目地を比べると、シーリングの持ちは雲泥の差と言えます。それくらいシーリングは厚みが重要です。

因みに、新築時のシーリングは新設時の真っさらなサイディング外壁に、初めてシーリングを打つので、しっかりプライマーを塗布して、きちんとしたシーリング工事を行えば、シーリングがへばり付き密着は最高なので、基本的には一番持ちが良いはずです。
逆に、改修工事の時は、その当時のシーリングを打ち替えるので、新築時に打ったシーリングのカスがどうしても壁面に付着していて、その上からプライマーを塗布して、打ち込むので、基本的には新築時よりも密着は悪くなります。
ですが、そこに外壁塗装を行い、塗膜を被せればシーリングの持ちは長くなります。

参考例ですが、シーリング屋では無く、塗装屋である当店がシーリングの打ち替えを一生懸命自社でやっていた頃は、申し訳ないですが、やはり下手でシーリング屋が打ったシーリングよりもどうしても痩せ気味で、そういう自社打ちを行っていた時期がありました。
もちろん、その上に塗装を行い、それが十年経過した建物の結果ですが、シーリングは避けていない実績があります。
しかも、普通のウレタンシーリングでです。もちろん、立地条件や環境にもよりますが、避けていなかったのが日光が一日中当たる部分でしたので、それなりに大した結果だと思います。
これをシーリング屋が変性シリコンシーリングで打ち替え、塗装を被せるなら、私はそれなりに持つだろうと考えています。現在の当店では、全てシーリング屋に任せていますので、その結果は今後の楽しみと考えています。

また、近年は、非常に伸びる超高耐久シーリングもあり、それを改修で使用する業者も多くなっているようですが、一番大事な壁とシーリングとの密着面がダメになったら意味が無いと思うので、それが超高耐久シールだから、シーリングが長持ちするかは何とも言えない部分だと考えています。
また、超高耐久シールの場合、塗装した後にシーリングを打ち込む、後打ちを推奨するらしいのですが、後打ちならシーリングの密着面が塗膜に守られないので、本当にそれで持つのか?という疑問はさらに湧きます。

ご希望の方には、超高耐久シーリングの選択肢も当店は対応可能です。

シーリングをカット後、養生テープを貼った所です。この目地を斜めから見ると2枚目の画像のような感じです。

この現場では相当丁寧にシーリングをカットした方ですが、どんなにカットしてもこのくらいのシーリングの残りカスは残ります。むしろ、現場によってはここまでのカットすらも厳しい事がよくあります。
シーリングの薄皮が残るくらいだってあります。新築時のシーリングプライマーによる密着が良ければ良いほど、こういった断面をきれいに剥がし取るのは難しいものです。

シーリング打ち替え後の耐久力は、立地や条件により差はあって当然ですが、一般的な工務店の立てたタイプのサイディング目地幅(1cm未満)であれば、打ち替えて塗装を被せて、日が一日中当たる面が10年持つだけでも凄い事ですが、欲を言って15年くらい持てば御の字だと思います。

打ち増しの場合

  • カットはしないだけで、基本的な作業は同じ。

    軒天と壁の取り合いのシーリングを打ち増しする際も、カットはしないだけで、基本的な作業は同じです。

  • 全体図

    遠目から見ると、こんな感じです。

  • プライマーを塗布します。

    プライマーを塗布します。

  • シーリングを打って均していきます。

    シーリングを打って均していきます。

  • 打設後

    遠目から見た打設後です。軒天と外壁面のシーリングは非常に重要で、この部分の打ち方が悪ければ、塗装の通り(ライン)を出すのが非常に手間になる部分でもあります。

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