塗装仕上げについて

二段目地工法について

二段目地工法とは、目地を2 段にして石材調を吹き付ける仕上げです。1 段目地でもかなりの手間ですが、2 段になると、手間も材料代もさらに掛かりますので、今の時代は需要が無いかもしれませんが、玄関部分などにワンポイント的に行うと、ペンキ塗り仕上げと比較したら、見た目の豪華さが違ってきます。

二段目地工法について(玄関付近)

二段目地工法について(玄関付近)

写真は、当店が下請け時代に施工した4階建てアパートで、17年以上経過した建物です。建物の外壁はペンキ仕上げですが、外塀のこの部分だけは石材調仕上げで、二段目地工法を行いました。
もうすぐ20 年近くなるのに、石材調部分はそんなに時間が経過したように感じない美観を維持しています。この塀は雨除けがあるとはいえ、明らかにペンキ仕上げより美観が良いです。

二段目地工法について(玄関付近)

こういう風に黒い目地底部分とは別に、もう1段目地がある仕上げです。1 段目の石材調部分より、さらにもう1段分石材調を吹き付けているので、ペンキ仕上げのように2 回塗っただけの薄膜とは明らかに違いはあります。

二段目地工法について(玄関付近)

仕様は、厚膜型のアクリル系石材調を吹いて、押さえ仕上げにして、最後にクリヤー塗りという内容で成り立っており、17 年以上経過していても、このようにクリヤーの艶感が残っています。

同建物の外壁面。17 年経過したペンキ仕上げの外壁について(弱溶剤2 液ウレタン塗料)

同建物の外壁面。17 年経過したペンキ仕上げの外壁について(弱溶剤2 液ウレタン塗料)

上で説明した石材調の外塀の現場の外壁側は、ペンキ仕上げによる弱溶剤2 液ウレタン塗料で仕上げており、同じ年数が経過したものです。

石材調部分同様、雨ざらしではなく、日当たりもほぼない面なので、チョーキングはしていませんが、石材調よりも美観は劣化した印象を受けます。

塗装時は、光沢テカテカの綺麗な外壁であったのですが、艶が低下し17 年以上も経過すれば、このようになります。因みに、目地が黒ずんで、変色したように見える部分は、シーリング材によるブリード現象ですので、必然的な事になります。ノンブリードタイプのシーリング材を使用しても、このような変色はいずれ起こります。

同建物の外壁面。17 年経過したペンキ仕上げの外壁について(弱溶剤2 液ウレタン塗料)

次は、別の面で、日当たりが良い方の外壁です。とはいえ、上で説明した石材調部分と日当たり的には、そこまで大きな差はありません。で すが、完全に艶が飛んで色も白ぼけて見えます。

同建物の外壁面。17 年経過したペンキ仕上げの外壁について(弱溶剤2 液ウレタン塗料)

触ると明らかにチョーキング現象が起こっています。外壁面は、タイル(玉)吹き仕上げも行っていますので、模様部分には影響は無いですが、コーティングとしての役目をするトップコートのウレタン塗料は、もう効力を成していません。

石材調とペンキ仕上げ(ウレタン塗料)の経年後の違いのご説明になりましたが、近年はペンキ仕上げの場合、フッ素や無機塗料というハイグレード塗料まであるわけですので、そういう材料を塗った薄膜の塗装が、どのくらい持つのか?は、また時間の経過と共に、実際の現場で目で見て確認してみない事には、はっきりと良いか?悪いか?は明言できないと当店は考えています。

ですが、あくまでもペンキ仕上げの場合、フッ素や無機塗料であっても、無機成分の割合は低い完全な有機物ですので、非常に高い技術を含んだ優れた液体塗料ではあるかもしれませんが、本物の無機物の集合体である石材調塗装よりは、経年後に劣化した印象を受けるのは致し方ない事だとも言えます。

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