外壁塗装(モルタル・コンクリート)

モルタル外壁やコンクリート外壁、から塗り替えを行う場合についてご説明していきます。
ALC外壁の場合も下記に当てはまりますが、ALCの場合は元々デザイン性があるタイプの壁の場合、サイディングと同じ塗装方法になる場合もございますので、そちらはサイディングのページをご確認頂ければと思います。
まず、モルタルやコンクリート外壁の場合は、すでに何らかの仕上げをされていると考えられますので、それが下に黄色文字で表している6つの塗装仕上げです。これが基本系です。

モルタルやコンクリートの建物の場合、色んな塗り替えが考えられます。例えば、下のような「塗装仕上げ」を再び行う塗り替えと、既存の壁にペンキ(色)を塗るだけの3回塗り、又は4回塗りの仕様を行うか?などと、大きく分ければ、この2パターンに分けられます。
因みに、後者のペンキを塗るだけの仕様であるなら、サイディング外壁を塗り替えるのと同じ塗り替え方法になります。

基本的な塗装の考えで言いますと、
●現在主流な、シリコンやウレタン、フッ素や無機などのペンキ(液体状の塗料)を塗るような塗り替えを、モルタル外壁やコンクリート外壁、一部のALC外壁に求められている場合は、既存外壁が、タイル吹き仕上げ・タイル押さえ仕上げ・マスチックローラー仕上げのどれかであるなら、素地が滑らかで整っているので、その上から塗り替えるのは、“ペンキ(色)を塗るだけの塗り替え”でも基本的には問題ないと言えます。

タイル吹き仕上げ
(吹付仕上げ)
タイル吹き押さえ仕上げ
(吹付+ローラー押さえ仕上げ)
マスチックローラー仕上げ
(気泡ローラー仕上げ)

もちろん、時間が経過し、上のような模様自体が死んでいるような状態であるなら、再び、このような塗装仕上げを再び行う方が、仕上がりが良いと言えます。
因みに、下地が死んでいるとは、こういうような状態です。死に過ぎくらいの例です。

上の写真は硬質のタイル吹き仕上げが30年経過し、すでに塗膜が剥がれかかっている部分もあります。ここまでの状態で無くても、亀の子状に塗膜割れしていたり、スカスカの詰まっていない玉吹きだったり、塗膜自体が明らかに痩せていたりすれば、再び塗装仕上げの工程から行う方がいいくらいです。

●逆に既存外壁がリシン・スキン・スタッコのような、吸い込みが激しく、ガタガタした素地であるなら、“ペンキを塗るだけの施工”を行っても、塗装屋的な感覚からすると、使う材料にもよりますが、本来あまり美観が良くないので、お勧めとは言い難いのです。ただ、最近の世間一般の塗り替え事情は何でもありみたいな感覚になりつつあり、見積時にそういう話すら話題にもならない事も多いようです。

リシン吹き仕上げ
(吹付仕上げ)
スキン吹き仕上げ
(吹付仕上げ)
スタッコ吹き仕上げ
(吹付仕上げ)

リシン・スキン・スタッコ系は、全く艶が無い仕上げで、無機物と塗料が組み合わさった塗装仕上げになります。

次に、塗り替え前と、塗り替え後の参考例を下記に挙げてみます。

●(既存外壁:リシン ⇒ 塗り替え後:ペンキ(色)を塗るだけの仕上げ)の場合
まず、これが塗り替え前の、リシン仕上げの壁面です。
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この壁面に水性シリコン(艶有)を塗っただけの仕上げですと、次の写真のような仕上がりになります。
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こんな感じです。この塗装方法も3回塗りです。
(色を塗るだけの3回塗り工程について)
シーラー(または)微弾性フィラー塗り ⇒ 仕上げ材(シリコン塗料)2回塗り という3回塗りです。
(解説)
写真では分かりにくいかもしれませんが、このように元の下地が粗い仕上げの上に、艶のあるペンキを塗っただけの施工ですと、言ってみれば着色されるだけですので、塗装屋的な考えで言いますと、仕上がりが微妙です。また、3回塗ったくらいでは膜厚はしれてるので、シーリング材で亀裂を補修した痕などは物凄く目立ちますし、塗料の痩せも早いです。膜厚がほぼ無い分、撥水性も弱く、素地が粗いので、汚れやすいです。ただ、こういった塗り替え方法が、最も安価な塗装方法ではあります。
このような塗り替えで、仕上げ材に超高級な塗料を塗って値段が上がるというような塗り替えをするくらいなら、仕上げ材は平均的な物を使用しても、タイル吹き・タイル押さえ・マスチックローラー仕上げのように、下地から作り変える塗り替えを行う方が、意味がある塗り替えだと思います。または、いっそ塗料を塗るのではなく、リシン吹き・スキン吹きなどを行った方がいいくらいだと当店では考えます。

だけど、もし上のように下地がリシンでも、ペンキを塗るだけで美観を良くしたいのであれば、艶がほぼ無い塗料もしくは、艶が無い塗料を塗れば、それなりに仕上がりはよく見えます。

●(既存外壁:リシン ⇒ 塗り替え後:艶の無いペンキ(色)を塗るだけ)の場合
例外として、お客様によっては、リシンのような質感が好みの方もいらっしゃいます。そういう方には、目止めがある程度できた上で、艶が無い塗料(ペンキ)を塗るなら、良い感じに仕上がります。それが下のような感じです。
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下地がガタガタしてても、色がしっかり留まっていて、違和感が無いはずです。

遠目から見てもこんな良い感じです。色もいいですけどね(^-^;
要は何が言いたいかと言いますと、ペンキを塗るだけの仕様の場合、下地をどれだけ目止めができている状態であるか?という事が非常に重要で、下地がガタガタしていたら、いくらフィラーで目止めになるとはいえ、塗っただけであればいか程も膜厚が残らないので、目止め効果は弱いわけです。よって、厚付けの施工をしてあげるくらいすれば、目止め効果が高いので、下地の粗を隠せるという事なのです。
上の現場では、目止め効果のある塗料をしつこいくらい塗って、やっとこれくらいですが、これは艶が無いペンキだから、こういう風に綺麗に見えます。艶があるペンキであれば、もっと粗が露わになり、目止めが効いていても見栄えが悪いだろうと思います。
車のボディーと同じで、傷がついたらすぐに分かるのは艶があるからです。艶が無ければ、傷ついても、艶がある時ほどは気にならないのです。さらに車のボディーは滑らかで綺麗だから、艶があっても美観が良いわけです。という事は、家の外壁のようなツルっともしていない、ましてやガタガタの下地の上に、艶のあるペンキを塗れば、塗料の留まりもバラバラな上に、それによる艶の反射もバラバラだから、綺麗に見えるわけが無いのです。だから、艶が無い塗料を使用する事は、ある意味ごまかしが効くという事でもあります。

なので、基本的には、リシン塗装などのガタガタした質感の外壁から、ペンキ系の仕上げを望まれるなら、下に説明するようなやり方の施工の方が、艶も引き立ち美観は良くなります。

●(既存外壁:リシン ⇒ 塗り替え後:マスチックローラー仕上げ)の場合

マスチックローラー仕上げの施工工程・・・・施工方法ページ(動画付)
シーラー塗り ⇒ (微弾性 or 弾性)フィラー厚付け塗り ⇒ 仕上げ材(例:シリコン塗料)2回塗り という4回塗りです。(下地によりシーラー不要の場合もあり)

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マスチックローラー仕上げの場合は、上の様に仕上がります。
因みに、美観的な事を言えば、水性塗料よりも溶剤塗料を塗る方が、超光沢にはなりますが、綺麗なのは間違いないです。

次に、既存が滑らかな素地感である場合は、ペンキ(色)を塗るだけで綺麗になるという例をご説明します。

●(既存外壁:タイル吹き押さえ仕上げ ⇒ 塗り替え後:ペンキを塗るだけの仕上げ)の場合
まず、タイル吹き押さえ仕上げとは、下のような下地です。玉が潰れたような感じを押さえと呼びます。
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この状態であるなら、ペンキを塗るだけで、綺麗に仕上がります。
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こういう感じです。
ペンキを塗るだけとはいえ、施工の流れとしては、下塗りにシーラーかフィラーは必要です。できれば、両方塗った方が良いのですが、どちらか一方でというなら、当店ならフィラーを塗ります。密着性で言えば、シーラーの方が上ですが、シーラーはそれだけだからです。また、シーラーを塗るのと、フィラーを塗るのでは、圧倒的にフィラーを塗る方が面倒です。でも下塗りがフィラーから塗れる外壁であるなら、その方が仕上がりはシーラーだけよりは綺麗だと言えます。

余談ですが、塗装工事は、保証を何年と謳う事を重要視するなら、シーラーを塗って、トップコートを塗るだけの3回塗りを行う以上に無難な仕様は無いです。薄膜の方が塗装店にとってケガは無いからです。中には塗装工事で15年の保証などと平気で謳う業者もいますが、それこそ下地を見極め、無難なシーラーを塗って、トップコートを塗れば、基本的に問題が起こる事は無いです。でも、家を建てても10年保証が基本なのに、塗装で15年の保証は、何も異常が発生しない自信があっても、異常な考えだと私は思いますし、どうかしてると思います。

●(既存外壁:タイル押さえ仕上げ ⇒ 塗り替え後:マスチックローラー仕上げ)の場合
下は、タイル吹き押さえ仕上げの上にマスチックローラー仕上げを行った場合です。タイル吹き押さえ仕上げは、下地が整っているので、ペンキを塗るだけで仕様としては問題無いのですが、下地が風化しすぎていたので、下地を作り直した例です。
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上のような仕上がり感になります。旧塗膜の押さえ模様の上に、マスチックローラー工法による凹凸模様が乗りますので、モルタル壁の上に、結構な塗膜厚が乗っている事になります。下の写真が遠目から見た感じです。
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壁面の肉もちはバッチリなので、仕上がりもバッチリです。但し、厚付けの仕上げはせいぜい2回~3回くらいが限界であると思います。それ以上は壁が重くなりすぎるからです。あまり厚付けもすぎると、壁の呼吸を妨げる事に繋がるので、適度な判断は必要です。

★この他にも、様々な塗り替えパターンがあります

●既存がスタッコ ⇒ マスチックローラー仕上げを行うパターン

●既存がスキン ⇒ 再びスキン仕上げを行うパターン

●既存がタイル吹き仕上げ ⇒ 色を塗るだけの施工パターン

●既存がリシン ⇒ タイル吹き仕上げ(施工方法(動画付))を行うパターン

●既存がリシン ⇒ タイル吹き押さえ仕上げ(施工方法(動画付))を行うパターン

このように、モルタルやコンクリート、ALCの外壁では、「下地が何か?」という事から始まり、どういう感じを求められるか?という話し合いをするのが一般的ですので、それにより、価格帯の差も生まれてくるのが、本来の塗装の仕事のあり方であります。